自力建設2019「Cobiki」ホリゾン設置
既に、竣工のご報告をした「Cobiki」ですが、そもそもの用途は「簡易製材機小屋」です。つまり、「簡易製材機ホリゾン」(以下、ホリゾン)が設置されなければ、「完成→引き渡し」とはなりません。当初は昨年度内に完成予定でしたが、コロナ禍の影響で延期されていました。
今週、そんな状況に変化がありました。アカデミーへの登校が可能なったのです。そして、来週の学長への完成報告の日程が決まりました。そこで、急遽ホリゾンの移設を実行する運びとなりました。その様子をご報告いたします。
ホリゾンの移動
まずは「Cobiki」までの移動です。道のりは約300m。本体をスリングで吊って、フォークリフトの爪にぶら下げて移動です。
棟梁の太目さんが、フォークの運転ができることは、私たちの自力建設作業において、本当に心強く、かつ助けとなりました。今回も、大活躍。レール(3m×2本)は連結を外し、フォークの爪に載せて移動。
レールの設置
レールの位置を打合せている様子です。ここまでは順調に進みました。
レールには10カ所程度の脚が付いており、各々の高さが微調整できるようになっています。
脚は約10cm位の長さの全ネジボルトに2つのナットが付いています。これをレールに付いているプレートに通し、プレートをナットで上下から挟んで固定します。ナットの位置を上下することで、レールの高さが変更できるのです。
レールに不陸があると、本体がスムーズに移動できませんし、製材の仕上がりにも影響するので、重要な作業です。
全ネジボルトが錆びてナットが固着しているところがあり、緩めるためにはスパナが2つ必要です。この作業をすべての脚について行うため、手持ちのスパナやモンキーレンチ、めがねレンチを総動員して各自が黙々と集中。
地味な作業ですが、意外に時間がかかり、腰への負担もmaxとなった頃に完了。
帯鋸の交換
製材の要である帯鋸が錆びていたため、新しいものに交換しなければなりません。ところがマニュアルがありません。
そこで、YouTubeにアップされていたホリゾン帯鋸の交換動画を見ながら作業。動画をアップしていた見知らぬおじさんに感謝です
試運転
設置完了して、早速試運転です。エンジンをつけ、ブレーキを解除し、本体を押しながらゆっくりと前方へ歩く。
水平の帯鋸によって、丸太が板状に切られていきます。歩く速度とエンジンの回転数の加減がポイント。
切断面は軽くプレーナーをかけたくらいになめらかな仕上がりです。
作業を見に来られていた木工専攻教員の渡辺先生にも試していただきました。
木工専攻の方々が自ら製材することを目的として建設された「Cobiki」によって、製作の可能性が更に広がることを願っています。
木造建築専攻 松岡 利香