「木材の適材適所」最終テストがやっと終わりました!
10月からスタートした授業「木材の適材適所」が年を跨いだ2月に最終追試をもって、やっと終わりました。その授業報告です。
木材は、天然材料であります。
木材の構造や組織の特徴をよくみきわめることは、木材を上手に利用するうえで、最も大切なことであります。
日本は、木の文化の国と言われています。
木の文化とは、イコール適材適所であるとさえ私は思っています。
エビデンスが求められる昨今ですが、日本の長い歴史の中で選択してきた
“木の才能”
つまり、どの木を選べば、日本人が求める道具として機能するのか?
その生活民具の知恵と、義務教育で学んだ生物・化学の知識を駆使して木材について学び直す授業でもあります。
ガイダンスからはじまり以下5つのテーマについて約100本の木材サンプルに触れながら学び、最後に木材同定テストで終了です。
① 木材の構造の基本
② 水分と木材の反応
③ 木材の乾燥
④ 木材の強度
⑤ 心材化と内部応力
⑥ 木材同定テスト
アカデミーの学生として、知ってほしい12樹種に限定して、今後、木材の適材適所を意識して生活してもらうための、たった15時間だけの導入の授業であります。
12樹種とは、以下の通り。この12樹種で一通りの専門用語の学びも網羅できます。
ヒノキ・スギ・マツ・キリ・カシ・ナラ・ブナ・カエデ・サクラ・ホオノキ・ケヤキ・クリ
この木材同定テストが実は難しいのです。
木材は個体差があり、色味で見分けがしやすい広葉樹はまだ良いのですが、針葉樹がとても難しいのです。
私が全国様々な地域の依頼で出向く度に集めた、地域材が増えていきますので、それがまた難しい・・・
今回は、途中で宮崎の飫肥スギが加わりました。(笑)
何度もテストを受け、実際に木に五感を通して触れ合い、やっと木の適材適所の視点が獲得できるのです。
以下受講した学生のコメントです。
「知識の定着がまだされていない部分が多いが学びを自分のものとする様に、今後とも継続的に学ぶ必要があると実感しています。しかし、間違いなく一つの武器になると考える為継続して学びを深めていきたいと思います。」
「実際に見て触って、そして木材のあるいち部分だけではなく全体及び同樹種でも違うものを観察することがいかに大事かを実感しました。」
授業「木材の適材適所」担当教員:松井勅尚