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2020年01月06日(月)

百年公園木育WS④「曲げリースづくり」

百年公園木育ワークショップ(以下百年公園木育WS)と題してクリエーター科2年木工専攻授業「木工講座の実践1」、エンジニア科2年林産業コース授業「木育総合演習」での合同の授業を行ってきましたが、今回のクリスマス企画で最終であります。企画担当学生に報告してもらいます。
「木工講座の実践1」「木育総合演習」授業担当:松井勅尚

 

この授業は自分たちでWSのテーマを決め、企画し、プレ実践を行い、本番を百年公園木育WSとして実施するという実践に近い授業内容となっています。その一連の活動をレポートいたします。

オリジナルのヤマザクラのまげわっぱ

■まずはWSのテーマを決めます
私は将来、この写真にあるような曲物(まげもの)の生産者として起業したいと考えています。その為、曲物にまつわるWSを企画しようと考え、以下の3点にテーマを絞りました。
・昔から使われている木でできた生活雑貨に触れてもらいたい
・実際に体験してもらい、木が曲がるということを実感してもらいたい
・ものづくりを通して想像力を育んでもらいたい
このテーマをもとに考えたのが「曲げリース作り」です。

試作を繰り返し、完成させたのがこちらです。
木を曲げてワッカにしたものの中に松ぼっくりなどを添えて彩り、完成させます。開催日が12月22日であったこともあり、クリスマスにピッタリなリースのWSを企画しました。
1. 木を実際に曲げる
2. 輪っかと輪っかを固定する為の木の部材をサンドペーパーでやする
3. 輪っかの中に物を乗せるための板を用意し、その上に乗せるもの(松ぼっくりなど)を選ぶ
4. 選んだものを絵の具で装飾して完成

■プレ実践を行いました
WSの企画が出来たのですぐに本番!というわけではなく、企画した内容を実際に運営してみて問題がないかなどを確かめることも含めた実践・・・プレ実践を森林文化アカデミーの文化祭「翔楓祭」にて行いました。このプレ実践ではエンジニア科の学生達にもスタッフとして参加してもらいました。
プレ実践を開催するための準備段階では、実際にどういう展示、設営にするとお客様が参加してもらいやすいか、気持ちよく帰ってもらいやすいかなど配置からWS実施中の動きまでエンジニア科の学生と共に打ち合わせを行い、実施致しました。WSをスムーズに参加できるようにと各工程(上記の1から4の工程を)の場所をはっきりと区別することとしました。そうすることで、今、どの工程が混雑しているかなどを明確化し、その状況を踏まえてのスタッフ配置をできるようにしました。

 

 

実際に運営してみたところ、特に大きな問題はなかったのですが、細かなところで修正点が見つかりました。
・木を曲げるための道具(コロ)が1つしかなく、お客様を待たせる場面があった
・装飾(工程4)の所で渋滞し、スタッフを多く配置しても対応できなかった
道具(コロ)に関しては数を増やすことで対応し、装飾についてはWSの内容自体に修正を加えました。具体的には装飾品(松ぼっくり等)を選んでもらう個数を際限なくしていたものを制限することとし、絵の具等での装飾も、事前にスタッフがある程度装飾したものを用意した上で選んでもらうといこととしました。そうすることで装飾に多くの時間がかかり、渋滞してしまったという問題を防ごうと考えました。
以上を踏まえた上で百年公園での本番です。
■百年公園木育WSとして実施しました
プレ実践では文化祭の中での実施ということもあり、予約不要で実施したのですが、本番では事前に予約を募った上での開催でした。その為、比較的時間に余裕があったため、より木製品に親しんでもらおうと、木製品の生活雑貨についての説明を加えました。

説明の中で「へぇー」、「そうなんだー」など声があがり、実は身近なものに多くの木製品が使われているということを知ってもらう良い機会となりました。

 

説明の中で「へぇー」、「そうなんだー」など声があがり、実は身近なものに多くの木製品が使われているということを知ってもらう良い機会となりました。

ヒノキの薄い板をお湯に浸けて、曲げやすくします。

プレ実践で修正点としてあがっていた装飾についてはある程度のルールを設けたことで時間の調整をうまくとることが出来ました。本番については問題なく終えることができ、ほっとひと安心でした。

今回の授業を通じて頭の中で考えていることを実際にやってみるということの大事さを改めて知る良い機会となりました。実践を繰り返し、修正点を見つけ、良いモノにしていく。そのことを実感できる良い機会となりました。そして多くの人の意見を聞くことの大切さも感じました。今回の修正点に関してもすべてエンジニア科の学生たちがあげてくれた意見です。積極的に意見や考えを話してくれたことを感謝します。
WSもここで終わりではありません。今後も修正に修正を加え、よりよいものにしていきたいと思います。

企画担当:クリエーター科木工専攻2年 清水貴康