ロッテンブルク林業大学のインターンシップ生来校
教育連携を締結しているドイツ・ロッテンブルク林業大学から日本の木の文化を学びたいと、9月から3か月にわたって岐阜県にインターンシップに来られている学生がアカデミーにやってきました。
彼女は、日本の木材や木材流通、大工の技術など、木を扱うさまざまな視点で、日本に興味を抱き、主に中津川市加子母にある中島工務店さんで研修中です。
すでに、加子母内の製材所や加工場、現場と、さまざまな体験をこなしていましたが、ようやくアカデミーにも来ていただきました。
ロッテンブルク大のデデリッヒ教授からいろいろ聞かせれていたようで、学内を案内している時にもなるほどと頷く場面が多くありました。
特に、アカデミー校舎の面格子は木を組み合わせて、めり込みによる粘り強さを発揮している構造形式ですが、木の持ち味を最大限生かしている使われ方に関心を持った様子。
また、木工専攻の材料ストック場では、一般の木工でもほぼ使われないよう様なたくさんの樹種を見て、日本の植生の豊かさを感じていただけたようです。
日本とドイツにおける気候や国土状況の違いから発する建築のつくり方の話もしながらアカデミー校内を廻りました。
温湿度の影響から日本では腐朽と蟻害が厳しいことで木製の遊具やデッキなどが屋外使用でかなり限定されている現状を話しました。ただドイツでも日本ほどではないにしても劣化は当然起こり、そのためのメンテナンス体制がしっかり整えられていることが多いことがわかり、劣化が厳しい環境だからこそのメンテナンス計画の重要性を改めて感じました。
また、地震や台風の影響も日本特有もの。先ほどの面格子もこれに対応するためのもので、そのほかにも様々な構造を見ていただきました。
ちょうど、建築一年生が自力建設の建て方を行ったいましたので、学生棟梁の太目さんに解説してもらいました。
この建物は、製材小屋の機能を持たすため極力壁をなくすために柱と梁で構造を形成するラーメン構造を採用しています。
ラーメン構造を知ってますか?と聞いたところ、ドイツ語ですとの答え。。。。。そうでした(笑)
昨年度の自力建設「森のいちだんらく」もロッテンブルク大に短期研修に行った伊藤さんに案内していただきました。基礎工事の段階でデデリッヒ教授に見ていただいた建物です。
半個室にゆったり座れるチェアが気持ちいいです。(私の写真しかありませんでした)
インターンシップ期間も残り1カ月と少し。日本の良さや課題を見つけて、ドイツでの活動に参考になれば幸いです。
木造建築教員 辻 充孝