第2回森林管理制度運用にかかる実務者研修を開催しました
6月5日に引き続き、6月6日に森林管理制度運用にかかる実務者研修を開催しました。
講師は、第1回でも講師を務めた林野庁森林利用課集積推進室 中村正弘課長補佐、室木直樹企画係長です。
今回の研修は、市町村が、森林経営管理法に基づき実施することとなる『意向調査』と『経営管理権集積計画の作成手順』を机上のモデル地区を事例に模擬的にやってみるワークショップを実施しました。
第1回目研修会の説明であったように、意向調査と経営管理権集積計画の策定は、市町村の中で森林経営管理制度の仕組みを活用して森林管理が進みやすいと考えられるエリアを抽出することが重要となります。そのため、今回のワークショップでは、市町村が森林管理のために入手できるデータ(模擬データ)を分析して、意向調査を実施する具体的なエリアの特定を行いました。林野庁から提供されたデータは具体的な地名は伏せられていましたが、リアルなデータでしたので、臨場感のあるワークショップになり、具体的作業手順を学ぶことができました。
午前中は、林野庁から提供された模擬的な市町村データをもとに『意向調査を行うエリアを抽出する』ところまでやりました。午後からは、その抽出エリアで意向調査が行われ、その回答(模擬)を分析して、市町村に経営管理を委託する森林所有者を抽出して経営管理権集積計画と事業実施計画(事業年度と予算)を策定する演習をしました。
意向調査を実施し、回答されてきた内容を分析すれば森林所有者が森林所有についての積極性や今後の森林管理の意向が見えてきて、結果として市町村が集積計画に組み入れるべき森林が分かってきます。演習では、4つの設問への回答結果をもとに所有者層を分類する作業を行いました。演習をやってみた感想としては、意向調査の結果を想定して分析のシナリオを事前に作り、それに基づいて調査票内での質問方法を工夫しておけば、回答結果を分類しやすくなると思われました。
午後のワークショップでの演習では、直近4年間のうちに意向調査、集積計画策定、森林管理作業をどのくらいの事業量と予算規模で実施して設計にすれば、市町村で現実的に進めていけるのかを試算してみました。森林経営管理制度は1つの森林について、『意向調査 ⇒ 集積計画策定 ⇒ 森林整備』という一連の流れで進んでいく仕組みですので、活動が年度ごとに計画的に設計されていなければ最終目標の市町村による森林管理までには到達できません。今回の演習では、制度を効果的に運用するためにはどのような考え方と全体設計(流れ、予算)をすることの必要性を学ぶことができました。