自力建設2019 棟梁 兼 代表設計者 決定
一昨日の公開プロポーザルの熱気が残る中、80名を超える投票が集計され、棟梁 兼 代表設計者が決定しました。
投票用紙には、びっしり各計画案に対するコメントが書きこまれています。
私も投票した一人ですが、最後の最後までだれに入れるか迷いました。どの計画も光るものがたくさんあり、また物足りない部分もあり、さらに、個性豊かで、一律のものさしでは比較しにくい計画だったからです。
このびっしり書かれたコメントから、投票した学生や教職員も皆さんも同様の葛藤があったと推察されます。
2位、3位と10票も差がつかなかった混戦の中で、最も表を集めたのが、「Cobiki」を提案した太目光さんです。
特に、浮世絵の木挽き風景をイメージに、森林文化を体現するような、木の文化に焦点を当て、一貫したコンセプトで計画された建物とプレゼン力が評価されました。
今朝、棟梁 兼 代表設計者を学生に伝え、休む間もなく、早速実施計画案の検討が始まりました。
まずは、全員から頂いたコメントを発表者それぞれが、読み込み自身の計画案の良かった点と足りなかった点を認識しました。
私も長年、建築設計に携わっていますが、一つの計画案に対して、これほど真剣なコメントをこの数量をもらうことはまずありません。本当に貴重な内容です。
場所を、展示会場である学生ホールに移し、具体的な検討事項を整理していきました。模型を前に、検討しなければいけないことを列挙して、どのように進めるか、5人全員の知見を出していきます。
設計者である、太目さんの模型を前に、いただいたコメントや、学生自身が疑問に感じることを出していきいます。
屋根の素材をどう考えるか、セキュリティのレベルをどの程度想定するか、配置計画はどのような向きが適切か、構造フレームの考え方はこれで良いか、何人が作業することを想定するか、使用時のルールをどのように決めていくか、、、などなど、いろいろな検討課題が出てきます。
構造フレームの検討では、実際にどのように光が入るかも合わせて検討。小原先生から、垂木の転び止めや、ラーメンフレームでの考え方などのアドバイスが出てきました。
その後、簡易製材機ホリゾンに丸太を搬入して実際の動線の確認。
30cmの直径丸太2.2mですが、すでに重い。40cm直径も用意してましたが、なかなか人力では動かしにくい。スムーズに安全に設置できるジグのイメージを固めていきます。あと、基本的に一人作業はないな・・・と。
これから、太目さんを中心に5人が一丸となって計画をまとめ上げていきます。
工事が7月に控えていますので、あと1カ月半が設計期間。
その間に、実施設計図書を完成させ、予算内に納めるように積算し、計画通知をおろし、工事関係者の日程調整を進めることになります。あっと、、、頂いたコメントへのフィードバックの機会として、学内に向けた中間報告会も開催する予定です。それ以外にも・・・いろいろありそうです。
本日から、また濃密な時間が進んでいくことでしょう。
准教授 辻充孝