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2019年02月13日(水)

環境性能設計2 総合的に建物を評価しよう

環境性能設計1では、断熱や日射熱制御などの基本的な建物性能をひたすら計算して行きましたが、2では総合的に建物を評価する考え方を醸成します。

まずは、省エネ基準ではH25年以降、基準値を外されてしまった気密性能。断熱以上に足元の暖かさを確保するには重要な性能です。

計算では求めることができなくて、基本は実測ということになります。

今回は、気密測定器をアカデミーコテージに持ち込んでの実地測定です。

いろいろな隙間からの空気流入が確認でき、養生テープで順番にふさぎながら計測を繰り返すことで、どこが弱点になりやすいかわかります。

この後施工した自力建設の断熱施工で活かされています。

 

次に、建築研究所のエネルギー消費性能計算プログラムを用いて、さまざまな建物性能や省エネ機器の選定度どの程度変化があるのか、計算していきます。使うのはオリジナルのドリル。

計算しては、結果を書き込んでいきます。これで、設計変更に伴う効果がより理解できます。

さらに、エネルギーから光熱費換算も身に着けると、より具体的に理解が進みます。

最終回は、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)です。54項目のエコ度を評価する仕組みです。単純な温熱環境や省エネ設備だけではない考え方でその名の通り総合評価をするツールです。

これを評価するには、性能表示制度をはじめ自立循環型住宅、FSC森林認証制度など、幅広い知識が必要になります。

ひとつづつ見ていきながら、仮に現在施工中の自力建設を評価したら・・・ということで、評価ツールに入力をしていきました。

結果は・・・Sランク。最高グレードを取得。当然木材は、同じ学内から算出された材、温熱性能向上に加え、外構計画など、植栽をしっかり残していることも大きいプラスです。

建築は、総合的なバランスを考えてつくっていくもの。CASBEEの広範な考え方が学生の視野を広げてくれます。

准教授 辻充孝