オープンカレッジ「虫の家をつくろう!」第2回目実施しました
少し間が空いてしまいましたが、去る10/20にオープンカレッジ連続講座「虫の家をつくろう!」の第2回目講座を開催しました。最終回の今回は初回講座で作った「虫の家 Insektenhotel」の観察と家庭用「虫の家」づくりです。
まずは設置したInsektenhotelを観察しました。巣材として設置した竹筒にはドロで蓋がされているものやコケが詰められているものがありました。さて何がいるのでしょうか?
竹筒にすこし切れ込みを入れ、そっと割ってみると中からは、利用している昆虫の幼虫や獲物となったクモなどの死体が出て来ました。クモの死体は、狩バチに狩られ、幼虫の餌として運び込まれたものでしょう。昨年は多くのクモなどが麻酔をかけられたまま生きた状態で詰まっていましたが、今回は残念ながらそのような状態のものは見つかりませんでした。それでも、設置した虫の家を使ってくれる様々な昆虫たちに、皆興味津々の様子でした。
昼食時に昨年同様、ヘボ(クロスズメバチ)のご飯とニホンミツバチの蜂蜜を試食。子供さんの方が興味をもって食べ、親御さんもそれにつられて食べてみるというご家族もおられました。食べてみると美味しいことがわかっていただけたようでした。
休憩中に、クガビルの仲間の観察をしました。これはアカデミーの同僚の先生が以前演習林で捕まえてきたものです。体長20センチくらいの巨大なヒルですが、血は吸わず専らミミズを捕食するというものです。子供達が大きなミミズを探してきて目の前に置いてやると、一気に食らいついて、丸呑みに。。。結構呑み込み終わるまで時間がかかったのですが、子供達は興味を持って観察していました(捕食画像はきつい方もいらっしゃると思うので無難な写真だけ。興味を持たれた人は「クガビル」「ミミズ」「捕食」などの単語で検索してみてください)。
午後は持ち帰り用の「虫の家」づくりをしました。例年通り玄関先に置いても違和感のない可愛らしいものを作成しました(アカデミー卒業生にキット化してもらいました)。屋根付きの箱をまずは組み立てて、中に古い葦簾(よしず)を切ったものや竹筒などを詰めて色々な虫たちが棲めるようにします。さらにドリルで穴をあけたり、屋根に煙突を取り付けたりと個性にあふれていました。色々な虫が入ってくれるといいですね。
ほんの一昔前までは家やその周辺に自然素材のものが沢山あり、そこに棲みつく生き物がいました。そのような生き物を見る機会は減ってしまいましたが、少し視点を変えてみたり、工夫を凝らしたりすれば、まだまだ多くの生き物が身近にいることに気づくはずです。またクガビルのように今までそんな生き物がいることさえ知らなかったものも、実は身の回りにたくさん存在しています。それらの生き物を通して、森林や田んぼなど私たちの身の周りの自然環境について興味を持っていただき、私たちとの関係について振り返ってもらえたら、うれしく思います。
(教員 津田)