汗と涙の大工合宿(前編)自力建設2018「森のいちだんらく」
自力建設に夏休みなし!
ということで、毎年恒例の大工合宿が8月1日から8日まで猛暑の中行われました。参加した学生20名&教員の汗と涙の奮闘の様子を、前後編の2回に分けてご報告させていただきます。
大工修行の場所を提供してくださったのは東濃ひのき製品流通共同組合さま。経験豊富な大工さん達のもとで学べる最高の機会を頂きました。
合宿では、大工さん達の指導で建物の基本構造となる土台、柱、梁や桁などをチームに分かれ責任を持って作り上げました。建物の骨格となる部分なのですごく重要。これらがうまくできてないと、しっかりとした建物にならないのです。われら素人軍団、真剣勝負で挑みました。見てください、男達の真剣な顔を。
写真では建築で使う「指矩(さしがね)」を大工さんが持って説明してくれています。定規のあて方は重要です。実際、1ミリのズレが原因で木材同士が組めない事態も発生しました。建築に精度は大事です。
墨(木材を加工するときに引く線のこと)の入れ方やノミなどの基本的な道具の使い方など、基礎からしっかり教わりました。
柱のかんながけ。鰹節状のかんなくずが美しい!
かんながけは全身運動ですから、エクサイズにもなりますね。
電動工具も大活躍。大きいものから小さいものまで色々使いました。
出番の多い丸ノコ。工夫次第で色々使えます。
ちなみに木工専攻のみんなには、木材の加工や道具の使い方において建築専攻よりも経験があるので、大変助けられました。
今回学びましたが、日本の伝統構法の仕口(しぐち。方向の異なる2つ以上の木材を接合する部分)や継ぎ手(方向が同じ2つの木材を接合する部分)にはたくさんの種類があって、奥が深い。たとえば写真は、梁となる木材をつなぐ『追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)』です。
聞くところによると、日本の伝統的な大工仕事は海外で工芸品と呼ばれるくらい精巧な作業も含まれるそうです。日本は地震が多い土地柄、昔から簡単には倒れない建物を工夫して作ってきました。日本の伝統構法は長い時代をかけて培った知恵と技術が蓄積されています。
大変な作業の中にはもちろん楽しいことも。
東濃ひのき製品流通共同組合の大島さん手作りのカレーをご馳走になったり、
バーべキューをご馳走になったり。
たらふく食べて働いて、汗だくで作り上げた私たちの作品、果たしてうまく組み上がってくれるのでしょうか??
続きは後編にて!
クリエーター科1年木造建築専攻 滝川麻衣