7/27〜29弁当箱販売!『長良川(ながら)んちぼっくす』ができるまで①
先日のブログでご紹介しましたが、今年の商品化の課題は“弁当箱”です。
今年は森林文化アカデミーの企画展『長良川(ながら)んちぼっくす』として、岐阜市長良川沿いにある、長良川てしごと町家CASAで展示販売させていただけることになりました。
これから5人の学生の制作における苦悩や作品に対する思いなど、長かったようで短かったこれまでの3か月間のエピソードを、それぞれの視点からお伝えしていきます。
まずは長良川に関連するモノや想起させるモノを考えることから始まりました。
長良川にちなんだもの、清流・鵜飼い・和紙・木材・岐阜城・織田信長、等々・・・キーワードは色々と出てきますが、それらと弁当箱をいかにつなげるか、そう簡単にはアイデアは浮かびません。
必ず長良川にちなんだものでないといけないということではありませんが、お店に置いていただく以上はそちらの販売方針に沿った商品、または既存のほかの商品の販売促進につながるような提案ができないといけません。
私は悩みに悩んだ挙句、ファーストインプレッションを信じ制作モチーフを決めます。
制作方法は旋盤加工です。課題としては技術的な面と材料的な面を想定してはいましたが、それでもかなり甘い考えだったというのを後に思い知らされます。
教員や外部講師の方から様々な助言をいただきながら、数枚の板を積層させて必要な厚みを確保するという方法にたどり着き、材料の確保はなんとかなりましたが、そうこうしているうちに加工の練習をする時間も限られてきました。
イメージ通りの形と大きさに、それも複数個同じものを作るということは相当な修練が必要です。果たして商品として販売するに値するものを作り上げることが私にできるのだろうかと、落ち着かない日々が続きます。
本製作が始まり終始ひやひやしながらの加工でしたが、なんとかぎりぎり着地したと一安心したのも束の間、素地調整や塗装という仕上げの作業で再びひやひやすることになります。
商品として表情が大きく変わる塗装の工程が、大変繊細で重要な工程だということを身に染みて知ることが出来たのが、この商品化というプログラムでの一番の経験だったように思います。塗装するのが少し怖くなったくらいです。汗
『鵜籠』をモチーフにした、丼物用の弁当箱
材はトチ。独特な杢が見る角度によって表情を変える面白いものになっています。ずっと見ていると、きらきらと表情を変える木目が川の流れのようにも見えてきました。
手のひらサイズの一見小ぶりな弁当箱ですが、深さがあるので意外と詰め込めます。弁当箱以外でもご自宅での菓子受けとしても使えそうです。
技術面・材料面の課題にウェイトを掛けすぎて、作品としての試行錯誤が足りなかったようで悔やまれる部分もありますが、限られた時間の中で制作してきました。
7/27(金)~7/29(日) 11:00~18:00、お時間のある方はぜひ長良川てしごと町家CASAへ!!学生たちの力作をご覧になってください。
山路陽平
(クリエーター科2年)
「長良川(ながら)んちぼっくす」展
2018年7月27日(金)〜29日(日)
11:00〜18:00
長良川てしごと町家CASA
500-8009 岐阜県岐阜市湊町29