第17期自力建設「里山獣肉学舎」竣工式を行いました
5月29日。木造建築専攻1年生による第18期自力建設のプロポーザルコンペ発表会の後、私たち17期の竣工式を行いました。
私たちもちょうど1年前にコンペを行いました。私はそこで代表設計者・棟梁に選ばれ、3人でプランを練り直し、7月から着工、やっと竣工することができました。
モノを作るのは簡単ではない。身に染みた1年でした。
第17期の自力建設「里山獣肉学舎」は野生動物解体技術実習場です。近年、野生動物の生息域拡大により、森林被害が拡大する傾向にあります。特にシカやイノシシによる被害が顕著となっています。解決策の一端として「狩猟」などの適切な獣害対策が注目を集めており、狩猟によって得られた貴重な資源でもある野生動物の肉を有効に活用することが求められています。そこで、当校では森林獣害対策の授業の充実が計られることとなり、そのための施設が17期のテーマになりました。
解体実習場として授業で使用する施設であるため、電気や上下水道設備が必要であり、かつ見学がしやすく、そして衛生上水洗いしやすい施設にする必要がありました。この機能が一つでも欠けてしまうと、解体実習場としての役目を満たしにくくなるため、極力妥協はせず、自分たちのできるやり方で作り上げました。予算が限られているため材料から自分たちで作ったり、手作業したり、コストを抑える努力をしました。設備工事においても施工業者の方にご支援いただいて、自分たちのやり方に合わせていただきました。こうして、たくさんの学生や協力業者の方々のおかげで、小さいながらも解体実習場としての機能を満たした施設をつくることができました。
式では作業する時のデモンストレーションを行いました。狩猟期ではないため、イノシシに模したパネルで行いました。イメージはつかめたかな?!
捕獲したイノシシを軽トラック(一輪車)で洗い場に運び込みます。
私たちは、この建物が獣害について学び、里山で起きている問題に関心を深めていく拠点になっていくことを願い「里山獣肉学舎」と命名しました。小さな建物ですが、洗い場と建物のセットで存在感のあるものになったのではないかと思います。アカデミーの学生はもちろん、学校を訪れる人もこの建物を見て、「獣害」を意識してもらえればと願っています。
そんな思いと、たくさんの方々の協力のおかげで完成した「里山獣肉学舎」。やっと竣工式を行うことができました。式には協力業者の方や、施設見学させていただいた「かみのほジビエ」さん「キサラエフアールカンパニー」さんにも来ていただき、施設を見ていただけました。改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。卒業したエンジニア科2年林産コースの学生を含め、多くの学生にも感謝しています。ありがとうございました。
式典の後は夕食会。環境教育専攻のあまちゃんを中心に食事の準備をし、バーベキューをしました。副学長のジリさんに頂いたイノシシの肉も登場し、みなさんに野生動物の肉も味わってもらうことができました。
1年かけてやっとできた自力建設。みんなで楽しく祝えてとても嬉しく思います。
そして、解体実習施設としてこれから活躍するのが楽しみです。
クリエーター科木造建築専攻 佐藤