水洗いでさっぱり(自力建設2018)
クリエーター科木造建築専攻1年とエンジニア科林産業コース2年合同で、今年度の自力建設増改築予定の桂の湯殿の洗い工事を行いました。
竣工後、10年間のホコリや木材の紫外線劣化によるリグニン分解の残滓など、表面は時を経た貫禄?が出ていました。
これらをさっぱり洗い流し、今年の増改築に備えます。
総勢15名でひたすら、雑巾で磨いていきます。拭くほどに、木本来の色目が復活します。
左半分が洗い前、右半分が洗い後。表面の汚れがきれいに落ちて、風合いが増しました。
竹の目隠し部分も、しっかり磨きます。白っぽく変色していた竹もつやのある黄土色に戻りました。
自然素材の多くは、年月が経過してもしっかり手入れすることで、新品にはなりませんが年月を経た風合いに変化し、美しく時を重ねることができる素材です。
一般的な工業製品では製造中止になったりすると一部分だけ取り換えることもできず、全面やり替え等発生するリスクがありますが、木材や竹は、当時の加工を思い起こし、再度新たに加工し一部分だけ入れ替えることが可能です。
まさに、増改築するのにうってつけの素材です。
ここで、今年卒業した16期生からの卒業記念品「高圧洗浄機」の登場です。高圧洗浄機にとっては初仕事。
高圧の水流でみるみる表面の汚れが落ちていきます。雑巾では取り切れない割れ目の奥の方まできれいになりました。さすがは文明の利器。ただ、水圧が強いので、壁との取り合い等、水の侵入リスクのある場所では使えませんので、使用範囲は限定的です。
細かい取り合い部や室内は、人力で丁寧に洗います。
だいぶきれいに磨き上げられました。周辺の桂の樹と合わせて、この建物や敷地を素材にどう料理するかは、今年度の木造建築専攻1年生にかかっています。
洗いの合間を縫って、林産業コースの手を借りながら、測量も継続しています。
これらの条件をしっかり意識しながらどのように計画するかを考えていきます。
講評会はちょうど2週間後の5月29日(火)。
残り時間の少ないなか、これまでの経験を活かして、いろいろなアイデアを具現化してくれることでしょう。
准教授 辻 充孝