自力建設 使った釘は1000本超え!?「建具をつくる」
“里山獣肉学舎”の大きな特徴のひとつは、実習時に建具(戸)を大きく開けることで、解体作業を外からよく見えるように設計されているところです。
言い換えると、建具にぐるりと取り囲まれた小屋なのです。
もちろん自力建設なので、建具も学生たちで一から取り組みます。
とはいえ、建具なんて作り方かわからない…ということで、学校近隣の安田建具さんに講師をお願いし、作製方法を一緒に考えていただきました。
(丁寧なご指導ありがとうございました。)
建具の仕様は、框戸とフラッシュ戸のハイブリッドで、框枠に薄い化粧板をはりあげていく方法を選択しました。
このちょっと風変わりな建具は、アカデミー内の施設で作ることができ、かつ学生の技術で作ることのできる建具は何だろうと、考えに考えた末の形でした。
今回、建具作製に取り組むなかで、何度もジレンマにはまることになります。
それは、「格好いい建具を作りたい」と言う設計者、「作りやすい構造にしたい」と言う作製者、「使いやすい戸がいい」と言う利用者、の目線のちがう3人が、自分の中でケンカをするからです。
自力建設プロジェクトは、自分で設計、施工、(利用)するので、自分の中の誰の意見を優先すべきなのか困惑することがあります。
それでも、それぞれの言い分のバランスをとりながら形にしていきます。
12月から建具材料を準備し始め、使った化粧板は計192枚、打った釘は1440本。
そして2月下旬に、ようやく建て込みの日を迎えました。
木材の反りや節、そして寒さと戦った3ヶ月間でした。
建具は、高い加工精度が求められるので、建築専攻の知識と技術だけでは、とてもつくることはできません。
しかし今回は、同じ学内の木工専攻の学生と先生の力を借りて、木工機械で細やかな作業をすることができました。こんなことができるのはアカデミーならではでないでしょうか。
建具が完成し、建屋の完成はもうすぐ!
続いての作業は、作業台・架台製作です。
木造建築専攻 1年 大上