林産業コースの建築環境工学
エンジニア科 林産業コースの建築環境工学の授業。
建築の室内環境を構成する全体像の概論のあと、それぞれの要素を自分で設計できるように学んでいます。
今日の午前中の3時間は、ひたすら手計算で演習です。板書しながら解説し計算して、また解説・・・・・・・。
順番に計算結果を答えてもらいながら、その数値がどのように使われるかを理解しつつ順番に進んでいきます。少人数制ならではの、すぐに自分の順番が来て当てられるという状況で、緊張感をもって取り組めました。
例えば、アカデミー校舎は木製建具ペアガラスですが、もし一般住宅でまだまだ多いアルミサッシのシングルガラスだったら室内表面温度はどれほど違うか?
今日の学生は、簡単に解いてくれるはず!!
室内20℃、外気温が冷え込んで-4℃の場合、木製ペアだと13℃ですが、アルミシングルだと2.5℃。
10℃近くも差が付きます。。
窓際に寄ると寒く感じるのは、室温が急に冷たくなっていると考える学生もいますが、実際の主原因はそれではありません。
熱の伝わりには、①個体同士の熱のやり取りの伝導、②空気による熱のやり取りの対流、③電磁波による熱のやり取りの放射の3つの要素が絡みあいます。
室温(空気温度)が影響するのは対流ですが、窓際であっても、極端にに空気温度は冷え込んでおらず(仮に扇風機で空気を混ぜるとすぐに室温同等になりますが窓際は寒いです。)、窓表面温度が冷え込んでいるため、体の熱が放射によって窓に向かって奪われることが主要因です。ちょうど、焚火や日向ぼっこの逆の状態です。
次回は、これらの基礎を活かして、住宅全体での熱環境を考えていきます。
准教授 辻 充孝