はじめての大物家具「テーブルの製作」
クリエーター科1年生の木工専攻の学生が取り組んでいたテーブルが完成しました。
この春、木工に取り組み始めた1年生にとっては初めての大物家具の製作です。完成したテーブルは2年生の作っている椅子に合わせて学生ホールに設置することが決まっています。1年生達が提案したのは丸脚の4本脚テーブル2卓です。その製作の様子をご紹介します。
今回作るテーブルは大小2卓のテーブルです。小さいテーブルはクルミを、大きいテーブルにはセンを使うことに決めました。大きな板があればテーブルが作れるかというと、そうも簡単ではありません。大きな板でも乾燥による割れがあったり節があったり。上の写真は木取りと呼ばれる材料の取り合いを検討しているところです。テーブルのような家具の場合、この木取りで家具の表情がほぼ決まります。最初の工程からプレッシャーがかかります。
表と裏を削り出したら、板の巾方向を接着する「矧ぎ(はぎ)」の準備を進めます。板と板の接着面がおかしな形をしていると将来的に接着面が切れてしまいます。そうならないようチェックをしながら矧ぎ面をとっていきます。
テーブルの天板をクランプで圧着。板の間からはみ出たボンドは丁寧にふき取っておきます。
接着面にできた段差は鉋やスクレーパーで平面に削ります。それぞれの道具の使い方、メリット・デメリットを聞いた後、今回は学生たちは鉋でトライをすることに決めました。
今回のテーブルの脚は丸脚になります。後々までこの丸型に苦しめられるのですが、それはまだまだこの後のお話・・・まずは大まかにカドを切り落としたら。
テーブルの脚を旋盤に取り付け、ルーターで外周を削って成形します。
そして出来上がったのが丸い脚です。今回、枘(ほぞ)の取り合いの関係上、仕口の形が複雑になっています。これもすべては丸い脚というデザインのため。いや、本当に作るのが大変でした。
脚と幕板を組み立て、パーツごとに塗装をしていきます。
塗装したパーツを組み立てます。
そして完成したのがこちらのテーブルです。
実はまだ、2年生の椅子が完成していないためテーブルは既存の椅子と合わせて設置してあります。このテーブルは先に椅子のデザインがあって、それに合わせる形で意匠を決めていきました。早く椅子とセットになったテーブルを見てみたいですね。2年生は頑張って下さい。
1年生の皆さん、お疲れ様でした!
木工専攻 講師
前野 健