森林から木材、くらしへ【森林環境教育編】
<250417> 森林文化アカデミーでは、新入生が各専攻の学びの入り口に触れる機会として、4つの専攻が持ち回りでガイダンス「森林から木材、くらしへ」を実施しています。
4日目は、「森林環境教育専攻」が担当。今年クリエーター科に入学した、20名の学生が参加しました。
森林環境教育専攻では、「自然と人とのより良い関係づくり」を探求します。知識だけでなく、自然の中での「体験」を通して「感じる」こと、そして他者と「協働」しながら学びを深めていくプロセスを大切にしています。今回のガイダンスでは、4名の教員がそれぞれの専門性を活かし、森林環境教育の学びのエッセンスを凝縮したプログラムを展開しました。
1.「感覚を開く」「感じる」「体験する」 (担当:萩原(ナバ))
2.「観察する」「知る」 (担当:柳沢)
3.「つくる」「協働する」 (担当:谷口(ごろー))
4.「ふりかえる」「学びに落とし込む」 (担当:小林(こばけん))
まだ4月ですが、汗ばむような快晴となったこの日、morinosに集合してスタートです。
まずナバさんのリードで、普段意識していない五感を使い、自然を全身で感じるワークからスタート。

アイスブレイクから「感覚を開く」、ナバさんの体験プログラムからスタート

みんなでつながり、大きな丸や四角をつくる

はだしのトレイル

棒をつかったあそびづくり
その後、柳沢先生のガイドのもと、足元の草花をじっくりと観察し、その場に生えている植物の種類をカウントする調査の実習。

囲まれた四角の中で違う種類を見つける

環境による多様性の違いを知る
続いては、ごろー先生と一緒に、森の中にある素材を使い、仲間と協力しながら「バイオネストづくり」に挑戦。

ごろーさんによる森と素材をつかったものづくり

森から素材をもらい、協働でかたちづくる
最後に、小林(こばけん)の進行で、一日を通して体験したこと、感じたこと、考えたことから、「森林文化科アカデミーの森林環境教育とは?その学び方とは?」を言葉化し、共有しました。

仲間と今日の学びをふりかえる
そして、今日体験した4人の教員・4つのプログラムが、環境教育で大切にしている<連続した学びのステップ>であることを説明しました。

全体でふりかえり
参加した学生からは、様々な気づきや感想が聞かれました。
「太陽の位置や風を感じたり、人と触れ合ったりすることで、五感が研ぎ澄まされるのを感じた」
「一人ではなく、みんなで一緒に活動したからこそ楽しかったし、一人ではできない発見があった」
「これまで風景の一部としか見ていなかった自然の一つひとつに、意識的にまなざしを向けることで、たくさんの発見があった」
「普段、会社(や街)にいると下しか向いていないけれど、ここに来て空の青さや植物の美しさに改めて気づいた。『今、生きてるな!』って実感した」
「自然と自分たちが繋がっているんだな、ということを体験を通して感じることができた」
これらの声からは、座学だけでは得られない、体験を通じた深い学びがあったことがうかがえます。自然の中に身を置き、五感を開き、仲間と関わる中で、学生たちは日常で見過ごしていた豊かさや、自身と自然との関係性について、新たな視点を得たようです。
また、ふりかえりの時間には、「感覚や体験だけでなく、学術的・理論的に学ぶことも必要だと感じた」という意見も出され、感性と知識を結びつけながら学びを深めていくことへの意識も芽生え始めていました。
「とにかく楽しかった!」という声がとても多く聞かれました。この日はクリエーター科新入生にとって、森林環境教育がどのような視点で自然や人、そして学びそのものに向き合っているのかを、体験と体感を通して知る機会となったようです。ここで得た気づきや感覚を大切に、これからのアカデミーでの多様な学びに繋げていってくれることを期待しています。
<森林環境教育専攻 小林(こばけん)>