製材実習(自力建設2024「栞」)
今回は、丸太から柱や梁材を作る製材実習の模様をお伝えします。
今年度の自力建設も終盤の追い込み時期ではありますので、今回挽いた材は、来年度の自力建設に使うものになります。春からやってくる後輩たちへのプレゼントです。
今回は大きめの丸太を選んで、主に梁材を作りました。建築の教育の場で製材機があるというのは珍しいとは思いますが、本学では製材を学ぶ機会は多くあります。今回は石原先生ご指導の下、復習を兼ねて学生自ら製材機を動かして挽いてみました。
丸太の曲がりを見て、台車にセットし、なるべく大きな寸法の材を取れるように墨付けをしていきます。丸太には末口、元口(根元)があり、元口の方が末口より太いので、その分を考慮して、1面目は台車には材を少し傾けて固定します。
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丸太セット中
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墨付け中
そして、帯鋸を回転させて、台車を動かして切り落としていきます。ズバッと端が切れる瞬間は、なかなか爽快です。でも豪快に切っていると、反りが発生してまっすぐ切れていなかったりもすることもあり油断できません。修正挽きという薄く切りなおして整えるということもありました。
そして、一本の丸太から得られる柱や梁材の大きさは、体積比で良くても丸太の50%くらいの印象で、あわよくば端材から板材が1、2枚得られるといった具合でした。柱や梁材を挽く時は、歩留まりが必ずしも良いわけでなく、贅沢な使い方であることを実感しました。
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製材開始
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製材中
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挽きたての梁材
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ずらっと今回の成果品
後日、表面割れを防ぐ目的で、製材棟の隣にある人工乾燥機で乾燥することにしました。乾燥機のトロッコに桟木を均等に配置して積んでいきます。フォークリフトも使いましたが、最後は人力でキレイに積んでいきます。今回は長さ4~5mの梁や太い柱材ばかりだったので、良い筋トレになりました。
この人工乾燥が終わったら、3期生が自力建設プロジェクトで建てた建材用の乾燥庫(活木処)で夏までじっくり乾燥させて、刻みの時を待ちます。
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人工乾燥機へ桟積み中
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桟積み完了、きれいに乾燥できるかな
一本の丸太からどのようにして建材を作っていくのか、実際に手と身体を動かして学ぶことができた良い実習となりました。
木造建築専攻 増岡