木造建築専攻
卒業生の進路
卒業生インタビュー

橋本 剛 -木造建築は面白い!-

プロフィール

森と木のクリエーター科 21期生

1976年 東京都生まれ
2001年 武蔵野美術大学造形学部建築学科 卒業
2002~2020年 建築系出版社
2023年 森林文化アカデミー木造建築専攻 卒業
株式会社 木構堂 勤務

質問1)どんな仕事をしていますか?

非住宅木造建築専門の構造設計事務所で働いています。

日々の業務では、300~1,000㎡程度のいわゆる「中大規模木造」を中心に、在来軸組工法やトラス架構、大断面集成材を用いた架構、CLT(クロス・ラミネーテッド・ティンバー)といった木質系材料を扱った構造設計をしています。

近年は木造の住宅需要が減りつつあり、店舗や事務所や学校・体育館・倉庫など住宅以外の用途で木造建築の需要が増えていて、新しい領域として注目されています。

そこで仕事をすることができ、面白さを日々感じています。また、既存建物の耐震診断・補強設計もしています。

 

質問2)アカデミーに入ったきっかけは?

以前勤務していた出版社の部署異動をきっかけに会社を辞め、実務者として飛び立つための助走期間として森林文化アカデミーに入学しました。

以前から、いずれは自分も建築実務者になりたい、建築のプレイヤー側になりたいという思いはありました。また、木工や大工のように、ものづくりのスキルも身に着けたいと思っていました。

入学当時年齢が46才だったため、再スタートに不安はありましたが、幸いにも就職することができ、日々学んでいます。

それともう一つ、前職で建築の法改正情報も扱っていましたが、「公共建築物木材利用促進法」(現在の通称:都市(まち)の木造化推進法)が施行され、国を挙げて国産材で公共建築物を木造化する動きを目の当たりにしました。

自分もその動きの中に飛び込んで生きてみたい、と感じたことも、アカデミーに入学するきっかけとなりました。

 

質問3)今に生きているアカデミーの学びは?

建築の領域は広いです。

企画・構想を相手に伝えること、設計では素材の扱いを知っておくこと、施工では加工方法や道具の使い方の習得が必要です。

それらすべてがアカデミーで学ぶことができ、仕事に・趣味に生かしています。

授業で「古民家の再生」を行い、在学中に古民家調査のアルバイト(一般社団法人インク)も体験しました。

現在は美濃市に古民家を購入し、自分で少しずつ改修を進めています。アカデミーで学んだ調査実測や工具の扱いが生きています。

また、自力建設「木立のこみち」を経験したことで、木造架構を考える面白さを知りました。

課題研究では樹状トラスの構造をテーマに、フレーム解析や接合部強度などを学びました。現在仕事するうえで生きています。

製材の授業や木材マーケティング原木の利用と流通の授業も、面白かったです。

岐阜県内の市場や製材所を見に行き、木材がどう売り買いされているのか、建築側で欲しい木材をどう確保するのか、木材がいくらで売れれば山側が赤字にならないのか、など、林業寄りのテーマに向き合ったことも、今後の仕事に役立つと考えています。

授業外の取り組みですが、岐阜県関市在住のチェーンソーアーティスト・彫哲さんと、本学の杉本和也先生による夢の競演「チェーンソー魂」を撮影・編集し、アカデミーのYouTubeで公開させていただきました。自主企画による動画ですが、とても貴重な経験ができました。

(2024年インタビュー)