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2024年08月13日(火)

林業事例調査2024(3)香美森林組合さま視察(2024/7/22PM)

 事例調査二日目の午後は高知県の『香美森林組合』に向かいました。香美森林組合様は、高性能林業機械を取り入れた集約化施業で、森林の公益的機能の強化と山主の方への利益還元など効率的で合理的な林業施業に取り組まれています。

森林組合の三谷様にご案内いただき、スイングヤーダで施業している現場にうかがいました。

現場までは少し斜面をのぼり進みます

現場に到着後、森林組合や施業について説明いただきその後スイングヤーダによる列状間伐の作業を見学しました。
作業道は10t車の走行ができるよう幅員4.5メートルで開設されており、現場への機械の導入とスムーズな材の搬出が可能になっている様子がうかがえます。

興味津々。たくさん質問をさせていただきました!

スイングヤーダで集材した材をハーベスタが次々に造材していきます

香美森林組合様では、1班4名で年間約30〜45ヘクタールの施設に対応されているとのことです。

 

最後に森林組合様所有のタワーヤーダを見せていただきました。現場に合わせてスイングヤーダとタワーヤーダの使い分けをされているとのことでした。

マイヤーメルンホフ社(オーストリア)製のタワーヤーダ

タワーヤーダ牽引用のトラクタも見ることができました!

林業機械のことを授業で学ぶことはできますが、実際に使用して施業している現場や機械を見ることはできないので本当に貴重な機会となりました。
今後のアカデミーでの学習に役立て、さらに学びを深めたいと思います。

短い時間ではありましたが、案内してくださった三谷様、作業中にご対応くださった現場の皆様、本当にありがとうございました。(林業専攻1年 渡邉)

学生の感想

急な斜面を切り株につかまりながら登って出たところは広い道路で、重さ12トン、8メートルのアームでワイヤーを引くスイングヤーダと、それで引き上げられてくる伐採木を受け取って造材するハーベスタが作業中でした。二つの機械の運転席の2人が無線を使い作業をすすめる。まさに木材生産工場 といった感じで、効率がとてもよかったです。需要と供給についてや、伐採後の再造林や施業についてみんなと考えたいと思います。(2年 紀平)

見せていただいた現場への道は傾斜が急で、途中手を使わないと登れないような場所もあり、身をもって高知の現場を体感することができました。
傾斜区分で見ると70%以上の場所も多く、山谷の地形の複雑さも相まって施業が容易ではないことを知りました。だからこそ、どうすれば効率よく事業を行うことができるのか、架線系作業システムで検討し実践されている様子はとても勉強になりました。(2年 栗林)

元々山主が高密度に作業道を入れていた歴史があった点が個人的に気になりました。山主の意識だけでそんなにも地域差が出るのかと思いました。その道を一から作り直して0.45クラスの重機と10トントラックが通るのに耐えられる道を作っているのはすごいと思いました。スイングヤーダでの作業はとても早くて驚きましたが、実際の現場のスピード感を感じることができてとてもよかったです。比較的傾斜のある場所であれだけの大きさの道を入れた場合、大雨の際の水がどのようにながれるのか見てみたいと思いました。(2年 村田)

(林業専攻教員 津田)