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2024年05月23日(木)

豊川閣妙厳寺法堂・位牌堂視察(その1)

先日、中津川の中島工務店様が建設されている豊川閣妙厳寺(通称豊川稲荷)法堂・位牌堂を視察させていただきました。法堂と位牌堂は本来檀家さんのみが入れる建物ですが、今回ご厚意でご案内くださいました。

視察の様子

視察の様子

延床面積439坪のこの建物にはヒノキをはじめ、アカマツ、ケヤキ、スギ、ヒバなど総量約870㎥の木材が使用されているそうです。私たちが現在建設中の自力建設「ほとりの櫓」は12㎥ほどですので、その約73倍…あまりに膨大な量で想像がつきません。柱に使われているヒノキは主に天竜エリアの材を使用したそうです。同じ地域・同じ土で育った木であれば木の表情(色味や木目など)が似通っていることが多いそうで、建物を見渡した時の統一感が出るように意識しているそうです。ヒノキの柱は33㎝角で、長いもので8m程度、そしてなんとほぼ四方無節!これほどの材、どれだけの手間をかけて育てたのか、林業の方々の努力がうかがえますね。

今回驚いたのは社寺建築では根曲がり材が重宝されることがあるということ。

視察の様子

例えば破風やこちらの写真の梁はデザイン上、もともと曲がった材が必要で、仕入れ先に曲がった材を庁足するようにお願いしたとのこと。本来林業側では根曲がり部分は山で切り捨てられてしまうことが多く、曲がった材は価値が低く評価されてしまいがちですが、このように好まれる瞬間も多々あるとのこと。中島工務店の方もこのように価値があるということを山側に共有する必要性を感じているそうです。

木造建築専攻2年 三輪