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2023年11月24日(金)

シンポジウム「野生動物管理と獣害対策を考える」

11月の心地よい気候の中

岐阜県立森林文化アカデミー主催のシンポジウムを行いました

現在ニホンジカによる被害が全国的に広がっていますが、野生動物の現状やそこに関連した実情はどうなっているのか?様々な立場からのプレゼンターから実情を伺いました。

主催である森林文化アカデミー副学長から開会の挨拶

 

まず初めに

野生動物管理推進センター から日下部さんによる野生動物の調査に基づく情報提供

生息状況の把握に向けた継続的な調査の動向について等の紹介

そして

岐阜県猟友会 大野会長による岐阜県と全国の狩猟者についての話題

狩猟者人口の変遷と課題について

次に

岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム 小澤委員長からニホンジカの過密地域による森林の現状

被害の実情と対策そして課題

岐阜県立森林文化アカデミー 新津講師による林業×野生動物管理の点からアカデミーの取り組み紹介

森林を維持するための狩猟者教育を目指す

最後

アカデミーと連携協定を結んでいるロッテンブルク林業大学 Thorsten Beimgraben教授によるドイツの森林獣害についての情報提供

ドイツでの獣害の実情と野生動物管理の必要性

会場には全国から獣害等に関心のある人々が集まり、熱い質問が飛び交いました

というのも、参加者の中には実際に野生動物によって被害を受けている人が3~4割も!

「数字上はニホンジカが減っているが、山林や農地の所有者としてはシカが減っている感覚はない」という数字と地域の肌感覚が異なるという点も、数字だけで判断できない部分があるという事を改めて考えさせられました。

 

ドイツのロッテンブルク林業大学では、フォレスターを育成するコースの学生は皆狩猟の資格を取得します。しかし、ドイツでは狩猟のライセンス取得には日本では考えられない程のカリキュラムをこなす必要があります。なぜなら、ドイツのフォレスターは森林管理の為に野生動物の管理を行う必要があるからです。日本と異なる狩猟の意識や体制について非常に興味深い話も聞かせていただきました。

趣味での狩猟と野生動物を管理するための狩猟の違いは、現在の日本とも通じるところもあり、森林文化アカデミーでも森林を維持管理していく為にも、野生動物管理をより深い形で取り組んでいく必要があると刺激も頂きました。

 

シンポジウムが終わった後も、参加者はなかなか帰りません。笑

プレゼンターへの追加質問や参加者同士で情報交換を行う賑やかで熱いシンポジウムとなりました

休憩時間には展示に興味を持つ参加者の皆さん

 

本シンポジウムを開催するにあたり

プレゼンターの皆さま・岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム事務局の皆さまにはお忙しい中、準備を頂き誠にありがとうございました

また、ドイツ連携に伴い通訳を受けて頂いた堂内さま

誠にありがとうございました!

 

報告:新津裕(YUTA)