サマーセミナー2023報告⑥
【サマーセミナー6〜7日目】9月23〜24日(土・日)
サマーセミナー6日目は、フライブルクにある木造建築ビル、環境先進開発都市の視察をしました。
まず初めに視察したのが、8階建ての木造建築ビルです。こちらのビルは、1階にスーパーマーケット、2階に保育園があり、3階以上はマンションとして使われています。全て木造で作られており、ティンバーフレーム工法で地元の森(FSC認証林)で伐採したモミが構造材として使われているとのことでした。窓枠が木質であったり、3重サッシ窓など、いたるところに断熱の工夫がされていました。
次に見せてもらったのが、環境先進開発都市の街並みです。
環境先進開発都市の街並み
こちらの街では、ゼロエネルギーを超えて、プラスエネルギーを実現している物件もあるようです。つまり、自分たちが使う電力よりも、生み出す電力のほうが多いということです。発電には、太陽光を活用されていました。また、住宅のエネルギー効率上げるために、断熱を強化するなどの様々な工夫が張り巡らされていました。
サマーセミナー最終日(7日目)は、かつて鉱山を営んでいた鉱山博物館を視察しました。鉱山の入り口までは、ロープウェーで登っていきました。
ロープウェーで山上まで登る
こちらは、シュヴァルツヴァルトの一角の鉱山であり、銀や亜鉛が採掘されていたようです。私は鉱山に初めて入ったので感動しました。
鉱山のかつての掘削機械
鉱山にいくまでの途中、シュヴァルツヴァルトの森が観察できました。
ブナの森
モミ・トウヒの森
改めて空中から森を見て感じたことが、針葉樹も広葉樹も真っ直ぐに伸びているということです。おそらくドイツの気候や種間競争の関係から、このような形に育っているのだと思います。
林業目線でみると、形質の良い木がいっぱい育っていて羨ましいと思ってしまいました。
鉱山近くのブナ林(薪炭林)
なお、鉱山の入り口近くの森は、萌芽更新しているブナ林が広がっており、こちらは薪や炭として伐採が繰り返されてきた歴史を垣間見ることができました。
今回のサマーセミナーを通して、ドイツと日本の森がどんな違いがあるのかを知ることができました。林業先進国のドイツを模倣するだけでなく、日本独自の林業を構築する必要性を強く感じました。日本は、温暖湿潤な気候で樹種も豊富。その豊かな資源をいかにうまく活用していくか?ドイツとは違った切り口で考えることができる楽しさも感じています。
今回の視察ではドイツの森林や林業を知ることができ、大変勉強になりました。
クリエーター科 一年生 小林建太