杉本 和也
専門分野 | 森林利用学 林業における生産システム 森林作業における生産管理 伐採搬出作業におけるシミュレーション |
---|---|
最終学歴 | 京都大学農学研究科森林科学専攻 |
経歴
(経歴のエピソードを20周年記念インタビュー記事で公開しています!)
2002年 京都大学農学部森林科学科に入学
大学時代は硬式野球部に所属し、大学野球リーグの運営に関わる。バットの原料であるアオダモが枯渇している現状から、広葉樹の造林に興味を持つ。造林の調査をしながら様々な林業家と話をする中で、日本の林業経営が厳しい現状を知る。
当時の林業は山に作業道をつけて車両系の林業機械を用いて搬出するシステムが増えつつあり、山に入る機械の組み合わせや動かし方により、大きく生産性が向上し、生産コストも下げられることが分かった。そこで、シミュレーション等により生産システムの導入を支援する研究を始めた。
2010年10月 岐阜県立森林文化アカデミー 助教
アカデミーでは、施業プランナーやフォレスターなど計画・管理する立場として路網や生産システムをどう設計・構築していくかというテーマで授業を担当。またエンジニア科を対象とした現場の伐採搬出実習も担当。 チェンソーの基礎トレーニング、高性能林業機械の操作、作業道開設、林業架線など、現場経験豊富な非常勤講師の先生方とともに、技能向上に向けた実習を行っている。
研究面では、生産システムのシミュレーションを用いて最適な人員や機械の配置について検討を行っている。最近では、作業日報を用いて生産コストに影響する要因について分析を行い、見積りの精度向上や生産管理に必要なパラメーターについて検討している。
2014年3月 経済産業省の中小企業診断士として登録
経営全体を理解しないと、林業作業の効率化や利益率向上についての提言はできないと思い、中小企業診断士の資格を取得。現在は岐阜県中小企業診断士協会に所属している。
専門分野に対する思い
路網の計画や生産システムの組み方は、森林全体の経営ビジョンや経営者の考え方によって、大きく異なります。正解がないからこそ面白いですし、考え方ひとつで長期的な成果、短期的な成果に大きな差が出ます。経営的にも持続可能な林業になるためのカギを握っていて、とてもやりがいがある分野です。
日本伐木チャンピオンシップ
林業技術及び安全作業意識の向上や林業の社会的地位向上を目的として、チェンソー技術を競う競技会が2014年から開催されています。大会で上位の成績を修めた選手は、日本代表選手として世界伐木チャンピオンシップ(WLC,World Logging Championships)に出場します。WLCは世界伐木チャンピオン協議会(ialc)が主催する40年以上の歴史を持つ大会で、ヨーロッパを中心に約30カ国が参加しています。大会は、スポーツ精神に基づき国境を越えた国家を結びつける、労働安全と技術の分野における情報交換、参加者の友好関係を目的としています。
岐阜県立森林文化アカデミーでは、2018年の第3回大会から学生が参加しており、2022年の第4回大会は、教員として杉本、他アカデミーの学生3名が出場しました。日本代表選手を決める日本伐木チャンピオンシップだけではなく、岐阜や鳥取など地方でも大会が開催されており、林業を盛り上げるべく熱戦が繰り広げられています。
戦績
第2回日本伐木チャンピオンシップ in 鳥取 プロフェッショナルクラス4位
第4回日本伐木チャンピオンシップ 2022 3位(日本代表選手としてWLC参加)
第34回世界伐木チャンピオンシップ エストニア大会 21位
第3回日本伐木チャンピオンシップ in 鳥取 プロフェッショナルクラス優勝